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2021-11-22
踊る「司法試験不合格」との文字
週刊誌等のネット記事などだと思いますが,最近,ネット情報で,「司法試験不合格」という文字を目にすることが非常に多いです。
普通,「司法試験合格発表」とか,「司法試験の合格者数の推移」などといったように,司法試験について「合格」という文字は,マスコミでも取り上げられることも多く,毎年のように目にします。しかし,司法試験に合格してしまえば,「司法試験不合格」との文字をこれまで目にすることは極めてまれだったと思います。
私が司法試験に合格したのが1999年で,すでに20年以上経過します。当時は,10回でも20回でも,司法試験は受けることができる制度でした。私は,そこまでは落ちてはいませんが,何度か,「不合格」になったことはあります。
合格してから20年以上経った私ですが,「司法試験不合格」という文字をみると,とても嫌な気持ちになります。
それが,当人やその周辺の人だと,より一層,辛い気持ちになることでしょう。いまだにネットをはじめバッシングが止まらないようですが,試験に落ちた人に対して,常識ある人が行うことではないと感じてしまいます。
2021-11-16
大入島埋立中止へ
私は今年で弁護士になって満20年を迎えました。その約半分の10年近くにわたって取り組んできたが大入島埋立問題について,いよいよ正式に決着=工事中止するようです。
行政訴訟や差止の仮処分,住民訴訟など数々の裁判をしましたが,裁判自体は1件も勝てませんでした。ところが,埋立阻止との所期の目的は完全に達成できました。
私を弁護士として成長させてくれた事件でした。
2021年11月16日付大分合同新聞
地域住民の反対により工事着手から18年間、宙に浮いたままだった佐伯市大入島の埋め立て事業について、県事業評価監視委員会(角山光邦委員長)は15日、広瀬勝貞知事からの諮問通り「中止」を妥当と判断した。近く広瀬知事に答申する。住民と県の法廷闘争にまで発展した事業は計画浮上から28年で霧散した。反対してきた住民からは「当然の結果だ」と喜びの声が上がった。
事業は佐伯港湾整備に伴い、島の対岸に国が直轄で造る深さ14メートルの岸壁のしゅんせつ土や公共事業による陸上残土の受け入れ先として大入島石間浦の埋め立てを計画した。総事業費47億円のうち、測量や設計などで約10億円を投じていた。
1997年に事業採択されたが、住民の反対運動で工事が中断していた。2011年に広瀬知事の判断で「休止」を諮問し、同委員会は妥当とした。16年にも「休止」としたが、次に再評価する21年までに14メートル岸壁の利用状況を見て、残りのしゅんせつの必要性や事業再開について判断することを県に意見していた。
大分市であった委員会では、県の担当者が経緯を説明。中止の判断理由として▽14メートル岸壁(同市女島地区)の供用開始後、現在の航路・泊地で安全に運航ができており、追加のしゅんせつが不要▽陸上の建設発生土は関係機関と連携し、市内で利活用や処分ができている▽島の人口が減少し、埋め立て後に予定していた宅地など土地利用の需要が減少―の3点を挙げた。
委員からは「環境問題への理解を忘れてはならない。建設残土などの課題は、他の公共事業でも検討してほしい」「当初計画から問題があったと言わざるを得ない」といった声が上がった。最終的に県の方針案を妥当とすることを決めた。
岸元和明港湾課長(57)は「事業の必要性は時間をかけて吟味した上で、現在の状況を踏まえて判断した。公共工事の建設残土の課題は関係機関と連携しながら、安全な処理に向けて引き続き努力していきたい」と述べた。
長年、反対運動をしてきた大入島石間区長の下川善信さん(70)は「大入島は佐伯湾の表玄関。美しい自然を守りたい一心で反対運動に取り組んだ。最もつらかったのは住民の間で賛否が分かれ、対立が生まれたこと。20年以上の長い期間、このような問題に費やしてしまったことが悔やまれる」と語った。
事業は佐伯港湾整備に伴い、島の対岸に国が直轄で造る深さ14メートルの岸壁のしゅんせつ土や公共事業による陸上残土の受け入れ先として大入島石間浦の埋め立てを計画した。総事業費47億円のうち、測量や設計などで約10億円を投じていた。
1997年に事業採択されたが、住民の反対運動で工事が中断していた。2011年に広瀬知事の判断で「休止」を諮問し、同委員会は妥当とした。16年にも「休止」としたが、次に再評価する21年までに14メートル岸壁の利用状況を見て、残りのしゅんせつの必要性や事業再開について判断することを県に意見していた。
大分市であった委員会では、県の担当者が経緯を説明。中止の判断理由として▽14メートル岸壁(同市女島地区)の供用開始後、現在の航路・泊地で安全に運航ができており、追加のしゅんせつが不要▽陸上の建設発生土は関係機関と連携し、市内で利活用や処分ができている▽島の人口が減少し、埋め立て後に予定していた宅地など土地利用の需要が減少―の3点を挙げた。
委員からは「環境問題への理解を忘れてはならない。建設残土などの課題は、他の公共事業でも検討してほしい」「当初計画から問題があったと言わざるを得ない」といった声が上がった。最終的に県の方針案を妥当とすることを決めた。
岸元和明港湾課長(57)は「事業の必要性は時間をかけて吟味した上で、現在の状況を踏まえて判断した。公共工事の建設残土の課題は関係機関と連携しながら、安全な処理に向けて引き続き努力していきたい」と述べた。
長年、反対運動をしてきた大入島石間区長の下川善信さん(70)は「大入島は佐伯湾の表玄関。美しい自然を守りたい一心で反対運動に取り組んだ。最もつらかったのは住民の間で賛否が分かれ、対立が生まれたこと。20年以上の長い期間、このような問題に費やしてしまったことが悔やまれる」と語った。
2021年11月16日 OBSニュース
住民の反対で休止している大分県佐伯市大入島の埋立事業は、着手から24年を経て、「中止」が妥当とする判断が示されました。
(田辺記者)「大入島小学校跡地の前に広がる海で、およそ6ヘクタールの埋め立て計画がありました。結果的には埋め立ては行われず、今もすみきった海が広がっています」
この事業は、佐伯港の岸壁整備で海底を掘削した土砂や建設残土を大入島の石間区に埋め立てるもので、大分県は1997年度に着手しました。しかし、地域住民の反対運動で埋め立て事業は行われず、2011年から休止した状態となっています。大分県は11月15日、「岸壁は安全に利用されていて、大入島で建設残土を受け入れる必要はない」として、県事業評価監視委員会に埋め立て事業の中止を諮問。審議の結果、委員会は「中止」が妥当と判断しました。
(広瀬知事)「長く停滞していたんですね。そのうちに必要性がだんだんなくなった。今判断すれば妥当な判断かな」
総事業費47億円のうち、事業着手から24年の間に投じた費用は10億5800万円。反対運動を続けてきた地域住民は、複雑な思いを抱えています。
(石間区・近藤栄喜相談役)「ありがたいことですけど、もう少し早く中止してほしかったです。地元に一回話をしてくれていたらこんなことにはならないし、大分県も無駄な税金を使わなくてもよかったと思うんですよ」
大分県は12月7日に事業評価監視委員会からの答申を受けてから、正式に事業の中止を決定します。